「実印をなくしたので同じ印を作ってほしい」…でもそれ、できないんです
✅この記事のポイント(要約)
- 実印の偽造は刑法で禁止されている犯罪行為
- 「似た印を彫ってほしい」という依頼もすべてNG
- 偽造は職人の目にはすぐにバレる
- 登録変更が面倒でも、正しい手続きが安心
- 鈴印では法律を守る信頼の印章作りを貫いています
「実印をなくした!同じ印をもう一度作ってほしい」
そんなご相談をいただくことがあります。
でも結論から言えば、それはできません。
実はこれ、法律に抵触する行為なんです。
実印を偽造することは、犯罪になってしまいます
「登録変更が面倒だから、同じ実印をもう一度彫ってほしい」
「すり減ったから、そっくりな実印を作り直したい」
「お客様の印をなくしてしまって…バレないように似せて彫ってほしい」
こうしたご相談を、これまでにも何度もいただいてきました。
でも、それらはすべて違法行為にあたります。
刑法で定められた「印章偽造の罪」
刑法第159条〜第164条により、「他人の印章の偽造」は刑事罰の対象です。
使用した側も、作成を依頼した側も、罪に問われます。
つまり、職人が偽造を行えばもちろん違法ですし、
依頼されたお客様側も、知らなかったでは済まされないのです。
鈴印の立場:似せるだけでも、一切お受けしません
私たちは職人です。
どんな理由があっても、似ているだけの印章でも作成しません。
これは鈴印創業以来、変わらない姿勢です。
例えば、こんなご依頼はすべてお断りしています:
- 実印をなくしたけど、登録変更が面倒なので同じように彫ってほしい
- お客様の印をなくしてしまったので似せて作りたい
- なるべく近い印影でお願いします
どんなに事情があっても、すべて×(バツ)です。
「身分証があるから大丈夫」でも…お断りします
「私が本人です。身分証明書もありますから…」
そう言われることもあります。
でも仮に、他人が偽の身分証を使って依頼したら…?
そう考えると、確認が難しい状況で印を作ること自体が危険なんです。
だからこそ、私たちは例外を認めず、すべてお断りしています。
偽造印は、すぐにわかります
「似せて作ればバレないんじゃない?」という声もありますが…
私たち職人には、すぐわかります。
なぜなら、毎日何百という印影を見ているから。
わずかな違和感や線のクセ、彫りの癖で、偽造は簡単に見抜けます。
まるで、お母さんが子どもの体調をすぐ察するようなものです。
実印は、登録変更して正しく使い続けるのが一番安心
面倒に感じるかもしれませんが、実印の登録変更はとても大切です。
万が一に備えて、改印時には役所での登録変更を必ず行ってください。
似た印を複数持ってしまうと、あとから本人も区別がつかなくなる恐れがあります。
実はこの「登録変更が面倒」というハードルこそが、他人によるなりすましや偽造から守ってくれている仕組みでもあるんです。
簡単に再発行できてしまえば、逆に誰かに悪用されてしまうリスクも高まります。
だからこそ、少し手間がかかっても正しい方法で守ることが、最終的には一番安心なんです。
※本記事の内容は、2025年6月時点の日本の刑法および印鑑登録制度に基づいて記載しています。
「不易流行」という言葉に込めた想い
私たち鈴印は、時代とともに少しずつサービスの形や使うツールを変えてきました。
電子印鑑やオンライン販売もその一例です。
でも、一方で絶対に変えないと決めていることもあります。
そんな私たちの姿勢を表すのに、ぴったりな言葉があります。
不易流行(ふえきりゅうこう)
変わらない本質を大切にしながらも、
時代に合わせて柔軟に変化していくこと
これからも鈴印は、印章文化が変化しても、法律を守り、真摯に正しい印章をお届けするという姿勢だけは変えずにいたいと思っています。
最後に|実印は、あなたの権利と財産を守る「盾」です
実印は、あなた自身や、あなたの会社の大切な権利・財産を守る証です。
だからこそ、作るときは信頼できるお店で、しっかりした印章を作ってください。
そして、長く、大切に使ってください。
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