印鑑制度編/日本での印鑑の役割

同じ印鑑で、家族が実印登録できるのか?

家族で印鑑を共有できる?実印登録のルールと注意点

結論:実印は家族間で共有できません。

同じ苗字でも、それぞれが独立した印鑑を用意し、別々に登録する必要があります。

この記事では、印鑑登録のルールや、なぜ家族で共有できないのか、役所での確認方法や注意点をわかりやすく解説します。

家族で同じ印鑑を使って登録できるのか?

印鑑登録イメージ

まず結論からお伝えしますと、すでに家族の誰かが登録している印鑑を、別の家族が使って登録することはできません。

なぜ登録できないのか?宇都宮市のルール

宇都宮市のサイトによると、以下のような印鑑は登録できません。

  • 住民票の氏名・通称などを含まない印鑑
  • 同一世帯の他の人がすでに登録している印鑑
  • 職業などが含まれた印鑑
  • ゴム印など変形しやすい印材
  • 印影が8mm未満または25mm超の大きさ
  • 欠けている・摩耗している印鑑
  • 照合が困難な印影

▶ 宇都宮市の公式情報はこちら

市役所での確認方法

市民課に直接電話で確認したところ、以下の回答をいただきました。

同一世帯で同一印影の登録はできません。
また、印影が似ていて紛らわしい場合も登録不可となります。

役所では実印=「一人に一つ」の唯一無二の印鑑と考えられています。
登録時には、同一世帯内で既に登録されている印影とコンピュータで照合し、重複や類似があると「紛らわしい」と判断され、登録できません。

家族で共有したいと思う理由と、そのリスク

今回改めて確認したのは、あるお客様からのご相談がきっかけでした。

「結婚するのですが、妻の実印を自分のと同じにしてもいいですか?自分の印鑑は苗字だけですし…」

確かに苗字が同じなら一見合理的に思えるかもしれませんが、これは法的にも危険が伴います。

弁護士の先生はこう指摘します。

「家族といえども、あくまで独立した個人です。
仮に同じ印鑑を使っていたら、意思確認ができず、法的な担保にならないんです。
たとえば夫婦で家を共同名義で購入する場合や、借入をする場面で、
片方が勝手に印鑑を使えば、重大なトラブルに発展します。」

つまり、印鑑の共有=リスクの共有ということ。
たとえ家族であっても、実印は必ず別々に用意しましょう。

実印を選ぶときの注意点

印鑑を選ぶときの注意点

実印は、既製品ではなくオーダーで手彫りされた印鑑が理想です。

理由は次のとおりです:

  • 市販の既製品では他人と被る可能性があり、登録不可になることも
  • 印影が似ていると「紛らわしい」と判断される可能性
  • 長期間使用するものなので、唯一無二の印影が安心材料になる

また、実印は日常的に使用するものではないため、使うたびに「これが自分の印鑑だっけ?」と迷う方もいらっしゃいます。
だからこそ、印影もケースも自分専用のものとしてわかりやすくしておくことが大切です。

まとめ:家族間でも実印は共有不可!

  • 同一世帯で同じ印影の登録はできない
  • 印影が似ているだけでも登録不可になる
  • 印鑑は法的責任を担う重要な証明手段
  • 市販の印鑑ではなく、オーダー印鑑を使うのが安心

ご家族であっても、それぞれ独立した「個人」としての実印が求められます。
登録に行く前に、ぜひ今回の内容をご参考になさってください。

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