基本編/印鑑の用途

実印ってなに?

ここでは実印(個人印)について解説します。

実印は、印章の中で最も重要なものになります。
そのため最もルールが厳格です。

また実印はつくる・つかう・ルールなど様々な要素が複雑に絡み合いますが、まずは基本的に知っておきたい入門編として当ページを質疑応答形式でご用意しました。
また回答の中で起こるであろう疑問について順を追ってご紹介しますので、最後までご覧いただくことで「実印」の全体像が掴めます。

 

実印は印鑑登録をした印章のこと

※ここでは「印章」と「印鑑」を正し表記でご紹介します。

「印章」=ハンコ本体
「印鑑」=捺した印影

実印ってなに?

市区町村(役所)に「印鑑登録」をした印章です。

印鑑登録ってなに?

役所にご自身の印章を持っていき、印鑑を登録をしてもらうことです。

印鑑登録をすると、どうなるの?

登録の証明として印鑑登録カードが発行されます。

印鑑登録カードは、なににつかうの?

印鑑登録カードは、印鑑証明書を発行するために使います。

印鑑証明書は、なににつかうの?

法律で規定される印鑑証明書が求められる場面で、印章と共ににつかいます。
例)不動産取引や住宅ローン、自動車の購入、保険の加入、また遺産相続など・・・

なぜ「実印」って言うの?

諸説ありますが、「実名の印」が由来になっているのが、一番有力な説となっています。

なぜ「印鑑」って言うの?

これには印鑑の語源が大きく関係しますので、併せてご説明します。
印章(ハンコ本体)の真偽を照合するには、印影(捺したもの)で判断します。
印影が捺してあるのが印影台帳で、これを鑑(かがみ)と呼んでいました。
そして印影台帳が印を見比べる鑑であることから「印鑑」と呼ばれ、真正であると認められたものも「印鑑」とされるようになりました。
つまり「印鑑」とは「登録した印影」のことになり、ハンコの丁寧語ではないんですね。

「印章」・「印影」・「印鑑」の違いがよくわからないのですが

・「印章」:本体のこと(ハンコ・はん・印と呼ばれることもある)
・「印影」:印章を紙などに捺したもの(印鑑も印影に含まれます)
・「印鑑」:実印や銀行印など登録した印章の印影のこと(印章の真偽を見極めるためのもの)

 

印鑑登録の決まり

印鑑登録には厳格なルールがあるため、どんな印章でも登録できるわけではありません。
ここでは印鑑登録のルールをご紹介します。
また印鑑登録は地方自治体によって違いあるため、詳しくは登録する役所にご確認ください。

どんな印章でも登録できるの?

大きさ・材質・彫ってある内容・住民票の所在・登録状況・年齢などに決まりがあって、登録のできるできないがあります。

登録できるサイズは?

役所では概ね以下のような表記になっています。

印影が一辺の長さ8ミリメートルの正方形に収まらず、または一辺の長さ25ミリメートルの正方形からはみ出さない

と規定されている役所が多いです。
つまり登録可能なサイズは、9ミリ以上24ミリ以内です。

登録できない材質ってあるの?

印形が変形しやすい印鑑(ゴム印など)

と規定されています。
具体的にはゴム印の他にも、変形しやすいシヤチハタなども登録できません。

百均の印は登録できるの?

基本的には登録できる役所が多いようです。
ただし大量生産印で同じものが大量に存在するため不向きとされています。
※既製印は登録不可としている役所もあります。

登録できない内容ってあるの?

・住民票に記載されている「氏名」、「氏」、「名」、「旧姓(旧氏)」もしくは「通称」、または「氏名、旧姓(旧氏)もしくは通称の一部を組み合わせたもの」で作られていない印鑑 ・職業などほかの事項を合わせて表している印鑑

と規定されています。
ややこしいので、登録可能な具体例を「鈴木一郎」さんで解説します。
【登録可能】
・鈴木一郎
・鈴木
・一郎
意外なところでは以下
・鈴木一
・鈴一
・鈴木一郎之印
※「之印」「之章」を入れることも可能としている役所もあります。

【登録不可】
一方で、登録不可の項目以外の内容が入っている「弁護士」などの肩書きや、イラストが入っているものなどは登録できません。

印鑑登録はどこの役所でもできるの?

印鑑登録は住民基本台帳に登録がある方に限ります。
引越しの際に住民票を移していない場合などは、住民票の登録されている役所でないと印鑑登録はできません。

苗字だけの同じ印を、家族みんなで登録することはできるの?

できません。
印鑑登録には「登録できない印」として以下の規定があるためです。

すでに同一世帯のほかの人が登録している印鑑

そのためご家族で同じ印章の使い回しはできません。
また百均の印は、この条件(同じ印とみなされる)可能性があるため、登録できないこともあります。

登録できない年齢ってあるの?

 印鑑登録ができる方は、住民基本台帳に登録されている方です。ただし、15歳未満の方及び意思能力を有しない方は、印鑑登録をすることができません。

と規定されています。
そのため15歳以上であれば印鑑登録が可能です。
他、成年被後見人等のルールもありますので、興味のある方は各役所までお問い合わせください。

その他に登録できない場合ってあるの?

・「き損」、または「ま滅」している印鑑 ・印影の照合が困難である印鑑 ・逆彫り

との規定があります。
摩滅していたり、枠の欠けなどがあると登録できません。
また落款印で使われる「白文」と呼ばれる、文字部分が彫ってある印でも登録不可です。

書体の制限はないの?

書体の制限はありません。
前述した「登録できない内容ってあるの?」に該当しなければ、どんな書体でも登録可能です。
一般的には篆書体は印相体など、複雑な書体を好まれる傾向があります。

形の制限はないの?

形の制限はありません。
一般的な丸でも、実は四角でも楕円でも登録することが可能です。
ちなみに楕円形は長い方の直径が、規定のサイズ(9〜24ミリ)以内に収まっている規定はあります。
また他サイトにはほとんど記述が見られませんが、三角や菱形さらには星型まで、規定サイズに収まっていれば登録が可能です。

 

最後に

以上が「実印」の入門編になります。
全てご存知の方もいるかもしれませんが、1つでも「そうなんだ!」があれば幸いです。

また冒頭でも述べました通り、印鑑登録は地方行政ごとのルールによって異なっています。
そのため詳しくは実印を登録する(ご自身の住民票が登録されている)役所にご確認ください。

一度つくると長いおつきあいになる実印ですから、じっくりとご検討してみてください。

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