書体について

手書き文字とPC文字の違い

ここでは、印章の手書き文字とPC文字との違いを解説します。

印章製作において一番大切なのも文字デザイン、具体的には手書き文字を使っているか?もしくはPCフォントを使っているか?になります。
なぜなら手書きとフォントは、直筆の手紙とPCで作った資料と同じくらい違うからです。

印章に一番求められるものは唯一無二ですから、手書きに勝るものはありません。
ただ一方で手作りになりますから、価格も高くなり、かつ時間もかかってしまいます。
一方でPCフォントなら、安く早く作れるメリットもあります。

そのため以下から、それぞれ比較をしながら解説していきます。
見た目だけでなく、複製のしやすさや耐久力も違いが出ますので、ぜひ参考にしてください。

2016年3月25日に書いたブログですが、2022年1月18日に再びリライトしました。

 

手書きの文字とPC文字は見た目が違います

まずは実際に見ていただきましょう。

左が手書き文字で、右がPC文字。
※中央のバーを左右に動かせます

手書きの文字は、線の太さと空間が揃っていて、動きも滑らかです。
対してPC文字は、線の太さが揃ってなく、空間も広い部分と狭い部分があって、曲がる角度も無理やりな感じ。
ではなぜ、PC文字はこんな風に強弱が出てしまうのか?
その原因は先ほど述べた、四角い文字を丸の中に収めることに関係します。

言葉よりも実際のPC文字製作動画の方がイメージしやすいと思いますので、そちらをご覧ください。

丸の中に、配置された四角い文字。
印章は丸の中にたっぷり文字を広げる必要があるため、上下左右に広げていきます。
そして伸ばす際に、線の太さが変わっていくのがわかります。
線を引っ張ることで、ピクセルの形が変わり太くなっていきます。
線の曲がる角度も滑らかであるべきですが、フォントが四角で作る特性を持つため、どうしても無理が出てきます。

手書きが丸に合わせてバランスよく書きはじめるのに対して、PCフォントはすでにあるフォントを丸に対して変形させるため、見た目が大きく違ってきます。

【見た目】
手書き:線の太さが揃い、また線の動きも自然
フォント:線の太さにばらつきがあり、線の動きに無理が出る

 

手書きの文字は、機械で彫っても複製しにくい

手書きは文字のバランスが良いだけでなく、複製しにくい側面もあります。
一般的に複製の問題に関しては、手彫りか機械彫りかの違いと捉える方が多いようですが、実際には文字デザインに大きく左右されます。

詳細は別の機会に委ねますが、例えば手書きの文字をPCに取り込んで、機械で彫ったとしても、2本と同じものが作れないのと同じ原理です。
そのため仮に同姓同名であっても、その都度書くことによって、同一のものが作れないようになります。
人が書くことになりますから線の角度や太さも変わってきますし、文字も実はかなりの種類が存在し変えていきますので、組み合わせも無限大になります。
つまり最初のデザインにアナログを使用することで、出力がなんであれ同じものができないんですね。

【複製に関して】
手書き:機械で彫っても、複製は難しい
フォント:量産可能

 

手書きの文字とPC文字は、長く使っていて差が出ます

意外かもしれませんが、手書き文字は長期使用とも相性が良いのです。

印章を長く使っていて起こる問題の1つは、写りが悪くなること。
原因は印材の摩滅や、印面へゴミなどが入り込んでの目詰まりだったりするんですが、それを彫り方で変えることも可能です。
想像してみてください。
細い線より太い線の方が耐久性が高い気がしますよね?
線と線の感覚が、狭いより広い方が目詰まりしにくいですよね?

そういう視点で、もう1度見てみましょう。

機械で彫られた細い線は、彫刻の際に強い力がかかっているため弱く、また極端に狭い箇所は目詰まりを起こしやすくなります。
対して、文字が均等にゆったり入っていると、無理のある部分がないため、長く使った際の耐久性に大きな影響を及ぼします。

【耐久性】
手書き:摩滅や目詰まりが起こらないように彫っている
フォント:痛みが起こりやすい

 

最後に

以上が手書き文字とPC文字の違いになります。
大きいと捉えるか小さいと捉えるか、もしお悩みの解消になれば幸いです。

印鑑の歴史は古いので、当時は手書き+手彫りでした。
そして徐々に効率化を求め、フォントや機械に置き換わってきています。
つまりベースには職人の手作業があるんですね。

これは見方を変えると、スーツなや靴などのオーダー品に近いのかもしれません。
体に合わせてジャストなサイズにしつつ見た目をよくするか、ある程度型を決めて合わせていくのか。
当然それによって期間やお値段も変わってきます。

印章は長く使うものです。
後から作り替えも難しい傾向もありますので、じっくりご検討ください。

 

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