ここでは、印鑑登録や書類に記載されている「ゴム印やシヤチハタ不可」の理由について詳しく解説します。
理由だけでなく、ゴム印やシヤチハタの構造についても紹介しますので、理解が深まることでしょう。
印鑑登録にゴム印やシヤチハタが使用できない理由:変形しやすさ
まず結論として、「登録できない印鑑」とは、変形しやすい印鑑(ゴム印など)のことを指します。
ちなみに宇都宮市のサイトには以下のように記載されています。
印形が変形しやすい印鑑(ゴム印など)。
つまり、構造上の問題が原因です。
シヤチハタの記載はありませんが、構造的にはゴム印に似ているため、同じ扱いとなります。
印鑑登録を行う印は、契約時に印鑑証明書とともに使用されます。
登録された印影と実際の印影が大きく異なる場合、契約の効力が失われてしまいますよね?
また、印鑑登録された実印は、長年にわたり使用します。
そのため、変形しやすいゴム印やシヤチハタは使用できません。
ゴム印やシヤチハタ印の素材
では、なぜこれらが変形しやすいのかについて説明します。
ゴム印
ゴム印は、その名の通りゴムで作られています。
車のタイヤもゴムでできていますが、摩耗によって定期的に交換が必要です。
同様に、ゴム印も摩耗しやすい特性を持っています。
使用回数や環境によりますが、一般的には10年ほどが交換の目安です。
そのため、何十年と使用される登録印としては適していません。
さらに、ゴム印は油性のスタンプ台などを使用すると膨張して変形する恐れがあります。
特に朱肉を使用すると、含まれる油分でゴムがさらに劣化します。
印鑑登録の条件は「長く変形しないもの」であり、朱肉で捺印するため、ゴム印は適しません。
シヤチハタ印
シヤチハタ印は、スポンジのような構造を持っています。
このスポンジ状の印面から朱色のインクが押し出される構造のため、耐久性はゴム印よりも劣ります。
印面をピンセットでつまむと、ゴム印よりも柔らかいことが分かります。
また、補充インクを間違えるとインクが固まったり、捺印制限があるため、耐久性には不安があります。
つまり、印鑑登録にはゴム印以上に適していません。
最後に
ゴム印やシヤチハタは柔らかくて捺しやすいので、事務作業や荷受け確認、学校への提出物などには非常に便利です。
しかし、印鑑登録や公的文書では、利便性よりも正確性が求められます。
自治体によっては、百均で販売されているようなプラスチック印材も使用不可とされる場合があります。
参考までに、印章の価格は耐久性に比例します。
木材は朱肉の油で脆くなる可能性が高いですが、象牙やチタンは朱肉の油の影響を受けず長持ちします。
一見同じように見える印鑑も、構造は異なり、目的に応じて作られています。
それぞれの印鑑の特性を理解し、適切にご利用ください。
コメント