ここでは印鑑の様々な書体の内、鈴印が独自開発したSK印相体について解説します。
デザイナーと1から文字デザインを考えた、今までにない新しい雰囲気の書体です。
複数あるSKシリーズ特徴から、開発ストーリーまで、詳しくご紹介してきます。
それぞれの特徴を理解し、あなたに最も適したSK印相体をお選びください。
SK印相体って何?
SK印相体はプレミアムチタンの発売に伴い、金属の雰囲気に合わせた、直線を基調とした鈴印オリジナル書体です。
人気に伴いバーションも増え、現在ではⅠ・Ⅱ・Ⅲと3種類。
さらにはひらがなやカタカナ、アルファベットにも対応し、外国の方にも選ばれています。
また当初はプレミアムチタン印のみの対応でしたが、現在ではプレミアムチタン印のみならず、全ての印材でお選びいただけます。
友人でもあるデザイナー、カケラデザインの吉田氏が作り上げた文字のデザインに、鈴印に代々受け継がれる印相体をミックス。
ちなみにSK印相体の「S」=SUZUIN 「K」=「KAKERA DASIGN」として、作者へのオマージュを表現しています。
SK印相体の全て
ここでは3種類ごとの特徴についてご紹介していきたいと思います。
直線基調の男性的なSK印相体
SK印相体のスタートがこちら。
全て直線だけで構成された、鈴印オリジナルの全く新しい印章デザイン。
特に新しいもの好きな方に人気となっています。
直線に所々曲線も交えたSK印相体Ⅱ
SK印相体をベースに、角を丸くして柔らかさをプラスしたⅡ。
直線と曲線が絶妙のバランスで、今では一番人気の書体となっています。
細くグラフィカルなSK印相Ⅲ
SK印相体をベースに、細くしたのがⅢ。
シリーズ中最もグラフィカルで、人と違う雰囲気を求める方に人気です。
ひらがな・カタカタのSK印相体
最近ではPCフォントをそのまま使って彫刻機で彫るショップも多く、その場合ひらがなやカタカナは特にチープになりがちです。
これはフォントと印章の相性が良くないことに依ります。
それがSK印相体になるとここまで雰囲気が代わり、今ではひらがなやカタカナのほとんどの方に選ばれるようになりました。
もちろんお苗字が漢字+お名前がひらがなでも相性は抜群です。
ひらがな・カタカナのSK印相体詳細は以下から
それぞれにイメージが異なりますが、もし迷ってしまった場合には第一印象で決めてください。
どんな時も、直感が正解です。
SK印相体って実印に使えるの?
一番ご質問で多いのがこちら。
もちろん登録印(実印)としてお使いいただけます。
実際に2014年の発売以来これまで数多く納めていますが、みなさま問題なくご登録できているのがその証拠。
色々なサイトをご覧いただくと、デザイン性の高い印を見かけるコトもあるかもしれません。
ただしいずれも注釈として「銀行印としては使えるけど、実印としては・・・」って感じ。
デザイン性の高い文字って感性で作っていると思われますが、その場合印鑑登録のルールとは離れてしまいます。
ちなみに銀行印は登録における制限が非常に少ないために、かなりトリッキーなデザインでも登録可能です。
イラストやモチーフ入りってのもできますしね。
対して実印の登録は、窓口で辞書を基本に審査します。
そのため辞書の文字から著しく外れてしまうと、登録できないんですね。
私たちは実印を彫り続けて80年以上になります。
これまでも一度として登録不可になったことはありません。
どの文字が登録できてどの文字が登録できないかの範囲までも熟知しているため、その応用で作られているSK印相体は、問題なく実印登録できるんですね。
SK印相体誕生秘話
それまで鈴印では、印相体や篆書体を実印スタンダードとして提供してきました。
ただしこれはあくまで「手彫り」の場合です。
印相体も篆書も手書き+手彫りならではの独特の柔らかさが特徴な書体ですが、当時発売を予定していたプレミアムチタン印は金属のため手で彫れません。
また前述の通りチタン印はPCフォントで対応するショップがほとんどですが、鈴印としては唯一無二を守るため使用することができない。
かといって印相体や篆書などは、どうもチタンのイメージと離れる気がして仕方なかったんですね。
それ以前からチタンの販売は考えていましたが、その決め手の書体が思い浮かばず、ずっと企画が頓挫したままでした。
そんなある日の事、あるカフェでたまたま見かけた一枚のフライヤーに衝撃を受けました。
それがこちら
今や押しも押されぬ宇都宮を代表する豚骨ラーメンのパイオニア、NOTONさんのフライヤーです。
確かまだNOTONさんのオープン前、このフライヤーに衝撃を覚え、思わずこっそり持って帰りました。
なにが凄いってこの文字。
「俊」
これはまさに印相体でした。
しかも我々印鑑職人が見た事もないアーティスティックなデザイン。
PC文字かデザイン文字かはすぐ分かります。
世間に使われているこの「印相体風」は殆どがPCフォントです。
「一体誰がこの文字考えたんだ・・・」
そんな後ろ髪を引かれる想いを持ちつつも、そういった出会いは必ず必然を伴います。
それから数ヶ月後、ある一人のデザイナーと知り合いました。
それはもう鈴印ブログではお馴染みのあの彼です。
株式会社カケラデザイン 代表取締役 吉田貴彦氏
偶然の出会いから意気投合し、色々話をしているうちに、聞けば上記の「俊」の文字は彼がデザインしたとの事。
これまた二重の驚きだった事は言うまでもありません。
そしてある日、何かの拍子にふと思いました。
「このデザインでチタンを彫れないだろうか?」
そこからチタンの発売に向けて全てが一気に動き出しました。
「このテイストを何とか鈴印の文字と融合し、商品として発売したい。」
ところがこの独特の線の動きとバランスは、今までの実印の文字に見慣れている私には簡単に理解しがたい、デザイン性の高いものでした。
要するに漢字って直線だけでなく、斜線や曲線がミックスされて作られていますよね?
だからそれらをどう直線に置き換えていいのかがさっぱり分からない。
色々相談に乗ってもらいながら、机の前にこちらのフライヤーを置き、眺め続ける事約半年・・・
ある時ふと全ての糸が繋がるように謎が解け、一気に書き上げました。
その時のラフ書きがこちら
まだまだ線の動きは雑ですが、かなりイメージに近づいたデザインになった事を実感した瞬間でした。
あとはPCに取り込み線の太さと間隔を調整し、一つのシンボルマークを作り上げるかの如く線を整えていきます。
こうしてSK印相体は誕生しました。
この間も一緒に飲んだ時に、彼も言ってました。
「漢字の斜線をなくすのは難しい」
私も毎回頭を捻らせている点を、ズバッとつくところはさすが開発者ですね。
SK印相体のシヤチハタも作れます
今では実印や銀行印など登録印のみならず、普段気軽に使えるシヤチハタにも対応しています。
SK印相体はいずれもシヤチハタの詳細は以下から。
最後に
印章を作る上で最も大切なことは、文字をデザインをすることです。
一人一人違うお名前に最適な文字を作ることでもあり、また唯一無二を守ることでもあるからです。
また実印や銀行印などの登録としても安心してお使いいただけることも大切な要素です。
それらを踏まえてようやく完成したのが、これまで80年以上に渡って培ってきたノウハウを注ぎ込んで全く新しいカタチに進化させたSK印相体です。
SK印相体は、その時のフィーリングやお客様に合わせて変化し続けます。
〜世界に一つ、あなただけの印鑑を彫ります〜
鈴印に脈々と流れ続ける歴史に新たな1ページが加わりました。
世界に一つあなただけのために、あなたのお名前をデザインします。
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