近年、日本に在留する外国人が増加しています。
日本では、実印の登録制度があり、これにより正式な契約や重要な手続きを行う際に実印が必要になります。
銀行印については特に規定がなく、アルファベットやカタカナでも問題ありません。
しかし、実印に関しては厳格なルールが存在し、外国人の登録においてもいくつかの制約があります。
本記事では、外国人が実印を登録する際のルールについて、英語圏と漢字圏での違いを詳しく解説します。
外国人の実印登録:英語圏と漢字圏で異なるルール
登録可能な印の表記
外国人が登録できる実印は、日本人と同様に住民票に記載されている氏名に基づいて作成する必要があります。
この住民票の情報は在留カードに基づいて登録されるため、在留カードの表記によって登録可能な印の表記も変わります。
【印鑑登録OKな表記】
○英語圏:アルファベットorカタカナ
○漢字圏:アルファベットor漢字(漢字は在留カードに表記がある場合)
【印鑑登録NGな表記】
×英語圏:漢字
×漢字圏:カタカナ
この違いが生じる理由は、在留カードの記載ルールにあります。
在留カードの表記の違い
英語圏:アルファベット表記のみ 例)Dnald Trump
漢字圏:アルファベットor漢字。もしくは併記 例)Buce Lee・李小龍
このように、英語圏では漢字の概念がないため、カタカナの使用が許可されています。
一方、漢字圏ではすでに漢字が使われているため、カタカナの登録は認められていません。
また、在留カードの情報は住民票に反映されるため、印鑑登録の際にもこのルールが適用されます。
在留カード>住民票>印鑑登録
という関係性になります。
実印登録における「氏名」と「通称」の考え方
外国人の実印登録においては、「氏名」と「通称」の概念が重要になります。
英語圏
氏名:アルファベット
通称:カタカナ(住民票に追記された場合)
漢字圏
氏名:アルファベット
通称:漢字(在留カードに漢字表記がある場合)
また、日本人と同様に、フルネームもしくは姓・名のいずれかで登録が可能です。
【補足事項】
英語圏:住民票のカタカナ表記は任意ですが、印鑑をカタカナで作った後でも追加可能です。
漢字圏:簡体字の使用や、日本での通称が住民票に記載されていれば登録可能です。
登録できる印と登録できない印の具体例
登録できる印
【印鑑登録OKな表記】
○英語圏:アルファベット(氏名)orカタカナ(通称)
○漢字圏:アルファベット(氏名)or漢字(通称)※漢字は在留カードに表記がある場合
氏名と通称という考え方で
英語圏は、氏名がアルファベットで、カタカナが通称(住民票に追記した場合)
漢字圏は、氏名がアルファベットが氏名で、通称が漢字(在留カードに漢字が表記されている場合)
また日本人同様、フルネームもしくは姓or名なら登録可能です。
さらに細かくは念のために補足しておきます。
英語圏:住民票のカタカナ表記は任意になりますが、印鑑をカタカナで作った後でも追加可能です
漢字圏:中国簡体字や日本での通称でも、住民基本台帳に乗っている名前であれば登録可能です
登録できない印
【印鑑登録NGな表記】
×英語圏:漢字
×漢字圏:カタカナ
以下でさらに細かく記載しておきます。
【英語圏で登録NG】
・氏名と通称の混在
・漢字の当て字
【漢字圏で登録NG】
・カタカナ
・氏名と通称の混在
・姓と名の一部づつ
英語圏の場合、漢字を当て字として使用するとおしゃれに見えますが、残念ながら登録できません。
また、漢字圏では、日本人には認められている「姓と名の一部ずつの組み合わせ」もNGとなります。
実印登録時のサイズについて
実印の登録には、最低12ミリ以上のサイズが推奨されます。
自治体によって異なりますが、12ミリ以上のサイズであれば問題なく登録できることがほとんどです。
最後に
このブログを公開してから、多くの外国籍の方から感謝のご連絡をいただいております。
このように日本人と比べると、実印登録のルールがかなり複雑なため、印章店でも知識が追いついていない場合があるようです。
この内容をしっかり確認した上で、正しく注文を行ってください。
今回の内容は、実印として役所に登録する印に関するルールとなります。
また実印に登録できる印であれば、銀行印として届け出ることも可能です。
さらに詳しく知りたい方は、住民票のある自治体にご確認ください。
※象牙は国外に持ち出しできませんので、お買い求めの際は十分ご注意ください。
ちなみにさらに低価格の機械彫りに関してこちらのブログに詳しく書いていますので、併せて参考にしてください。
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